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1万円の OptiPlex 3050 をホームラボの一台目にする — メモリとストレージの見立て
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中古の Dell OptiPlex 3050 SFF を、ホームラボの一台目として実質 1 万円で手に入れた。
本記事が扱うのは、この筐体を「Proxmox で複数 VM を回す仮想化ホスト」にすると決めたとき、メモリとストレージをどう積むのが妥当かという選定の判断だ。
まだ換装はしていない。買ってきて、スペックシートと現物を突き合わせて構成を決める「選定編」にあたる。実際の換装手順と実測(ベンチ・消費電力)は次の記事に回す。
注:本記事は Dell 公式仕様と各パーツの規格に基づく一般化で、特定環境の内部情報には依拠しない。中古個体は構成にばらつきがあるため、必ず手元の型番で確認してほしい。
TL;DR
- OptiPlex 3050 は Tower / SFF / Micro でメモリ規格が変わる。今回の SFF は UDIMM(フルサイズ DIMM)。ノート用 SODIMM を掴まないこと。
- メモリは DDR4、公式最大 32GB(16GB×2、〜2400 MT/s)。ラボ用途ではこの 32GB が 同時に回せる VM 数の実質的な上限になる。
- ストレージ用 M.2 スロットは PCIe 3.0 x2。速い Gen4 SSD を挿しても x2 で頭打ちなので、ラボ用途なら中庸な NVMe で十分。
- 起動と常用 VM を NVMe、バックアップ・ISO・低頻度データを SATA に分ける。
前提:何を作るための一台か
この機体単体をデスクトップとして速くしたいわけではない。狙いは Proxmox VE を入れ、Linux VM を複数立て、その上に IaC・監視・Kubernetes と積んでいくラボの土台にすることだ。だからスペック判断の軸は「ベンチスコア」ではなく、同時に何台の VM を現実的に回せるかになる。ここがブレると部品選びを間違える。
手元の個体は以下:
| 項目 | 値 |
|---|---|
| フォームファクタ | SFF(Small Form Factor) |
| CPU | Intel Core i5-7500(Kaby Lake / 4C4T / 3.4GHz、TB 3.8GHz、B250 チップセット) |
| 購入時メモリ | 8GB |
| 購入時ストレージ | 約 500GB HDD |
| OS(購入時) | Windows 10 Home 64bit ※後で Proxmox に載せ替える |
| 購入価格 | 税込 25,080円 →「リユース大処分 60%現金値引」で実質 約 1 万円(ヤマダ電機リユース、6ヶ月保証) |
購入時点は 8GB / HDD / Windows のままだが、ここはそのまま使わない。メモリを積み、起動を SSD にし、OS を Proxmox に載せ替えるのが前提だ。以下、その判断を順に見ていく。
メモリ:フォームファクタが規格を決める
3050 で最初に効くのがこれだ。同じ「OptiPlex 3050」でも、フォームファクタでメモリの物理規格が違う。
- Micro:ノート用の SODIMM(DDR4)
- Tower / SFF:デスクトップ用の UDIMM(DDR4 DIMM)
中古で本体だけ買って後からメモリを足す場合、ここを取り違えると物理的に刺さらない。今回の個体は SFF なので UDIMM を買う。フリマや通販でメモリだけ探すと SODIMM が混ざって出てくるので、そこだけ注意する。
容量は Dell 公式で DDR4 UDIMM スロット ×2、最大 32GB(16GB×2)、〜2400 MT/s。1 より速いモジュールを挿しても 2400 相当で動く前提でいい。容量が効く用途なので速度差の実害はほぼない。2 枚挿しでデュアルチャネルにしておく。
ラボ用途では、この 32GB がそのまま同時起動できる VM 数の上限に化ける。ざっくりの割り当て見積り:
- ホスト(Proxmox)自体に 2GB 前後
- 軽量 Linux VM:1〜2GB / 台
- k3s ノードやミドルウェア入り VM:2〜4GB / 台
32GB あれば、常用の軽量 VM を数台+実験用を数台、という規模が現実的なライン。逆に言えば「1 台で大規模クラスタごっこ」は無理で、そこは 2 台目・3 台目を足す話になる。一台目に求めるのは規模ではなく、壊して直すサイクルを回せる最小構成だ。
実際の換装(16GB×2 の選定・memtest 確認)は次記事で扱う。
ストレージ:起動とデータを分ける、ただし x2 の制約つき
3050 SFF は M.2 スロット(2280/2242、M-key、PCIe 3.0 x2、NVMe 対応) と SATA(2.5"/3.5")、加えて光学用の 5.25" スリムベイを持つ。2
ここで一つ現場的な注意点がある。M.2 が PCIe 3.0 x4 ではなく x2 だということだ。理論帯域はおよそ 2GB/s 止まりで、最新の Gen4 NVMe を奢っても x2 でサチる。ラボ用途では速い SSD を買う意味が薄く、中庸な NVMe で十分——むしろ容量に予算を振ったほうがいい。スペック表の「対応」だけ見て速い玉を買うと、金をドブに捨てる典型パターンになる。
役割分担の定石はシンプルで、
- NVMe(M.2):Proxmox 本体+よく動かす VM のディスク
- SATA(2.5"/3.5"):バックアップ、ISO 置き場、低頻度アクセスのデータ
起動を NVMe にするだけで、VM のスナップショットやテンプレート展開の待ち時間がはっきり変わる。中古機は HDD のままのことが多いので、ここは最初に手を入れる価値がある。導入する NVMe の型番・容量と実測(CrystalDiskMark 等)は、これも次記事で。
ベンチと消費電力は「次」で測る
ラボは基本つけっぱなしになるので、性能そのものより アイドル時の消費電力が地味に効いてくる。ただし数字は、メモリ換装と SSD 化を済ませた実構成で測らないと意味がない。だからこの記事では出さない。次の「換装&計測編」で、ワットチェッカーでのアイドル/負荷消費電力と簡単な CPU ベンチを載せる。
数字を出す目的は自慢ではなく、連載後半で 「AWS で同等構成を建てたときのコスト」と突き合わせるための材料にするためだ。自宅の実測 W 数と電気代が分かって初めて、オンプレ対クラウドのコスト比較が地に足のついた話になる。
結論:この一台の立ち位置
OptiPlex 3050 SFF は、最新でも高性能でもない。ただ、実質 1 万円で「電源から自分で握れる仮想化ホスト」が一台手に入るという一点で、SRE / アーキテクトの練習台としては十分すぎる。32GB という上限や M.2 x2 という制約はあるが、制約がある環境でどう割り当てるかを考えること自体が、そのまま現場の練習になる。潤沢なリソースの上では、設計の筋肉はつかない。
次は、この機体にメモリと NVMe を積み、Windows を消して Proxmox を入れる。そこから「手作業」を一つずつ「コード」に置き換えていく。
Footnotes
OptiPlex 3050 Small Form Factor Owner's Manual — Memory specifications | Dell(DDR4 UDIMM ×2、最大 32GB、〜2400 MT/s) ↩
Dell OptiPlex 3050 SFF – Specs and upgrade options(M.2 2280/2242 M-key, PCIe 3.0 x2 NVMe、SATA 2.5"/3.5") ↩